「麹には美容効果がある」「お酒を造っている杜氏(とうじ)の手は綺麗」という言葉を聞いたことはありますか?
多くの発酵食品に含まれている麹には、美容や健康に良い効果があると言われています。
今回はそんな麹の嬉しい美容効果について、ご紹介します。
▼麹とは
「麹」とは、米・麦・大豆などの穀物に「麹菌」を繁殖させたもので、日本の発酵食品をつくるのに欠かせません。
私たちの生活に欠かせない味噌や醤油などに使われているため、誰もが一度は口にしているものです。
どんな食材で菌を繁殖させるかによってできあがる麹の種類が変わり、なかでも甘酒や日本酒の原料である「米麹」は、女性に嬉しい美容効果がたくさんあります。
▼麹の美容効果
麹の持つ具体的な美容効果について解説していきます。
メラニン生成を抑えて美白に
麹(コウジ酸)は「お酒を造っている杜氏(とうじ)の手が白いこと」から発見された美白成分。
厚生労働省にその効果を認められた成分で、基礎化粧品(薬用)にも利用されています。
麹は肌を黒くさせるメラニンを合成する酵素(チロシナーゼ)の働きを抑制する働きがあり、シミなどの発生を抑えると言われています。
肌に潤いを与えツヤ肌に
麹菌は代謝の過程で、ビタミンB1やビタミンB2・ビタミンB6・ナイアシンなどのビタミン類を生成します。
これらの成分が肌のビタミン代謝を促し、美しい肌作りをサポート。
また麹には皮膚の主成分であるアミノ酸やセラミドの元となる成分も豊富に含まれているため、肌に潤いを与え健やかな状態に導くのです。
抗酸化作用でアンチエイジング
麹には抗酸化作用が期待できる成分がいくつか含まれています。
なかでもアミノ酸の一種である「エルゴチオネイン」は、ビタミンEの7000倍とも言われる高い抗酸化力があり、美容効果や高いアンチエイジング効果が期待されています。
体内で活性酸素が増えて酸化すると、肌トラブルが起きやすくなったり、老化しやすくなったりすると考えられていますが、麹にはこの酸化を抑える力があるため、若々しい肌を保つ助けをしてくれるのです。
腸内環境を整えて内側から美肌へ
腸の中に存在する細菌の集合体「腸内フローラ」のバランスが乱れると、皮膚のバリア機能が低下し、さまざまな皮膚トラブルにつながる可能性があります。
麹にはオリゴ糖が含まれており、乳酸菌をはじめとする善玉菌のエサになるため、腸内環境を整える役割を担います。
さらに麹には食物繊維も豊富に含まれているため、腸内環境を改善するにはぴったり。
麹で腸内環境を整えることで、内側から肌の状態も整えることができるのです。
▼美肌になれる麹ドリンク
麹甘酒
麹甘酒には350種以上の栄養素が含まれており、その栄養価の高さから「飲む点滴」や「飲む美容液」と呼ばれます。
アルコールが含まれないため、妊娠中やアルコールを控えている方でも安心して飲むことができるのも嬉しいポイント。
ただし、甘酒には酒粕から作られるものもあるため、麹甘酒(糀甘酒)と記載のあるものや、原材料を確認して麹由来のものを選ぶようにしましょう。
▷ 飲むタイミング
朝 | 昼 | 夜 |
ブドウ糖の作用で体温や代謝が上がる 代謝が上がることで脂肪が燃えやすくなる |
ブドウ糖で脳と体全体にエネルギーをチャージ | ブドウ糖やビタミンB群が疲労回復をサポート 血流をよくし、体温を上昇させる |
ダイエットや美容に◎ | 集中力UP | 疲労回復リラックス・安眠効果 |
甘酒は栄養素が高く健康的な飲み物ですが、糖質も多く含みます。
カロリーも高いため、1日の目安はコップ1杯(200ml)程度におさめると良いでしょう。
▷ 麹甘酒のおすすめアレンジ
ミルクティーやココア・カフェオレに麹甘酒を加えるのもおすすめ。
紅茶を少量煮出したら、牛乳と同量の麹甘酒を加えてみてください。
(ココアやカフェオレも同様の作り方)
麴甘酒の優しい甘さが紅茶やコーヒーによく合います。
麹甘酒は栄養豊富なうえに体が温まるので、朝に飲めば1日を元気に過ごすサポートをしてくれるはず。
ただし麹菌は高温に弱く酵素の働きが止まってしまうため、60度以下になるまであら熱を取ってから加えるのがポイント。
▼麹を使った自家製調味料レシピ
ここでは簡単に麹を取り入れることのできる、自家製調味料のレシピをご紹介します。
麹を使った調味料を作る場合、菌の繁殖を防ぐため、保存容器や調理器具はあらかじめ熱湯やアルコールでの消毒が必須。
また手作りのため、いずれもできるだけ早めに使い切るように心がけましょう。
塩麹
~ 材料 ~
乾燥麹…200g
天然塩…60g
水…230〜300ml
~ 作り方 ~
1.麹をほぐしながらボウルに入れ塩と混ぜる
2.水を加えて混ぜる
3.常温で発酵させる(1日1回上下を変えるようかき混ぜる)
甘くまろやかになったら冷蔵庫へ移す
しょうゆ麹
~ 材料 ~
乾燥麹…200g
醤油…300〜400ml
~ 作り方 ~
1.麹をほぐしながらボウルに入れる
2.醤油を加えて混ぜる
3.常温で発酵させる(1日1回上下を変えるようかき混ぜる)
麹が柔らかくなったら冷蔵庫へ移す
※発酵途中で醤油が少なくなった場合、麹が浸るまで醤油を継ぎ足してください
コンソメ麹
~ 材料 ~
乾燥麹…100g
玉ねぎ…200g
セロリ・にんじん…各50g
天然塩…35g
水…40〜100ml
~ 作り方 ~
1.麹をほぐしながらボウルに入れる
2.野菜をフードプロセッサーなどでペースト状にする
3.2を1に加えて混ぜる
4.常温で発酵させる(1日1回上下を変えるようかき混ぜる)
麹が柔らかくなったら冷蔵庫へ移す
中華麹
~ 材料 ~
乾燥麹…100g
長ネギ…100g
にんにく・しょうが…各50g
天然塩…35g
水…40〜100ml
~ 作り方 ~
1.麹をほぐしながらボウルに入れて塩を加える
2.野菜をフードプロセッサーなとでペースト状にする
3.2を1に加えて混ぜる
4.常温で発酵させる(1日1回上下を変えるようかき混ぜる)
麹が柔らかくなりとろみがついたら冷蔵庫へ
いずれのレシピで作った調味料も、完成後にフードプロセッサーで麹もペースト状にすると使いやすくなります。
自分で作るのが難しいという方も、市販の麹調味料で気軽に麹を取り入れることができます。
▼麹を使ったおすすめ料理
自家製調味料や市販の麹調味料の使い方をご紹介します。
唐揚げやソテー
お肉や魚の下味として塩麹や醤油麹・中華麹など漬け込んでみてください。
麹を漬け込むことで食材は柔らかくなり、美味しく仕上げることができます。
急いでいるときは20分程度でOK。
時間に余裕のあるときや、しっかりと柔らかくしたい場合は一晩漬けこむと良いでしょう。
ただし麹は焦げやすい特徴があるため、加熱時には注意が必要。
和物・サラダ
トマトやキャベツ・ナスなど和えることで、簡単に副菜が完成します。
熱を加えないため、酵素を壊さずに摂ることができるのも◎。
スープ
野菜をたっぷりと入れて、美容にも健康にもいいスープに。
麹には血流を良くする効果があるため、温かいスープにすることで身体の芯から温まり冷え症の改善にピッタリです。
▼麹の摂取方法とポイント
加熱せずに使用するときは食材に注意
お米や芋、小麦などのでんぷんが主成分の食材に使用する際は注意が必要。
麹がもつ酵素の働きででんぷんが分解され、水っぽくなってしまうのです。
じゃがいもはコロッケの味付けとして使ったり、お米はおにぎりではなく炒飯にするなど、麹調味料に火を通してから使用すれば水っぽくなりません。
和えものやサラダなどに使用する際は、時間をおくと水分が出てしまうため、すぐに食べるよう心がけるとおいしく食べられます。
漬け込む料理に使うのがおすすめ
麹の力を最大限に活かしたいなら、なるべく漬ける工程がある料理に使うのがおすすめ。
麹に含まれる酵素は60度以上の熱が加わると酵素が変化し、美容に効果のあるビタミン類を生成できなくなります。
漬け込むか、調理の最後に加えるようにすると良いでしょう。
▼まとめ
味噌や醤油にも含まれる日本人に馴染みの深い麹は、飲む美容液といわれるほどの美容効果があります。
麹を積極的に摂取して、内側から美肌を目指しましょう。
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